日本唯一の曲木家具専門ブランド 秋田木工より、
剣持勇デザインのハイバックダイニングチェア「No.2801」2脚セットを買取しました。

秋田木工は、曲木に適したブナやナラの豊富な秋田県湯沢市で、
1910年に秋田曲木製作所として設立されました。
「木が木で立っていたときよりも立派に美しく」という信念をもって、
木を知りつくした職人達が丁寧に造りあげる家具は、
堅牢で丈夫でありながら、美しく機能性に優れています。
東北を代表する家具ブランドとして、豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」に、
オリジナル家具を納入したことでも話題になりました。
1966年にグッドデザイン賞を受賞した「No.503」は、
昨年の4月にグランドオープンしたJR秋田駅の待合ラウンジに、
木目を活かす白木塗装を施した特別版が納入されています。
非売品でしたが、利用客から大変好評で一般販売が開始されました。

「No.2801」をデザインした剣持勇は、
ヤクルトのプラスチック容器のデザイナーとしても有名です。
1932年に東京高等工芸学校木材工芸科を卒業後、
現在の経済産業省にあたる商工省の工藝指導所に入所しました。
1952年に経済産業省からアメリカデザイン視察を命じられて、
様々な刺激を受けて帰国すると、柳宗理や渡辺力など25人の仲間と、
日本インダストリアルデザイナー協会を結成します。
1964年にデザインしたラタンチェアが、
日本の家具として初めてMoMAの永久コレクションとして選定されました。

買取しました「No.2801」は、もともと皇室用として製作されたチェアです。
背もたれの曲線が体にフィットして、快適な掛け心地を生み出しているだけでなく、
洗練された印象を与えています。
1991年にグッドデザイン賞を受賞した作品です。

買取させていただき、誠に有難うございました。