イタリアの人気照明ブランド「FLOS」より、
アッキーレ・カスティリオーニがデザインしたフロアライト「トイオ」を買取いたしました。

FLOS（フロス）は、1962年にイタリアを代表するデザイナー・建築家である、
カスティリオーニ兄弟を中心に創設されました。
照明ブランドとして「Cocoon（コクーン）」という当時珍しかった素材に注目し、
素晴らしい拡散光を生み出すことに成功しました。
創設した年には、イタリア工業デザインの古典ともなった数々のランプの生産を開始します。
その最初のランプがあの有名な「アルコ」、「トイオ」そして「タッチア」です。
これら全ては、アッキーレとピエル・ジャコモのカスティリオーニ兄弟によってデザインされました。
今なお生産されるこれらのモデルは、
普遍的なデザイン性と技術的な優秀さを物語っています。

アッキーレ・カスティリオーニ（Achille Castiglioni）は、
1918年、イタリア・ミラノで生まれました。
ミラノ工業大学建築学科を卒業後、
兄のリヴィオ・カスティリオーニ、ピエル・ジャコモ・カスティリオーニとの事務所で、
デザイナーとしてのキャリアをスタートさせます。
建築、インテリア、展示会のデザインから家具や小物にいたるまで、
様々な設計を残しています。
1962年にフロス社が設立されると、デザインの責任者としてカスティリオーネ兄弟が呼ばれ、
1960年代のイタリア照明界の代表的なデザイナーとなりました。
また1956年に設立したADI（インダストリアル・デザイン協会）の文化活動にも積極的に参加、
1969年から1977年までトリノ工業大教授を勤めています。
その後2002年に亡くなるまで、フロス社、ザノッタ社などから
多くの作品を精力的に発表し続けました。
アッキーレ・カスティリオーニは、イタリアデザイン界を半世紀近くリードしてきた、巨匠の1人です。

買取しました「トイオ」は、FLOSの創始者であるアッキーレ・カスティリオーニが、
1962年にデザインしたフロアライトです。
電球部分には自動車のヘッドライトをそのまま剥き出しにデザインしてあります。
フレーム部分には、伸縮する釣り竿と既成製品を組み合わせて造るなど、
新しい価値観を創造するアッキーレ・カスティリオーニらしいライトと言えるでしょう。

買取させていただき、ありがとうございました。