カッシーナとは?
イタリア家具の代表格として有名なカッシーナは、家具好きにとって憧れのハイブランドとして知られています。価格帯は高めですが、圧倒的なデザイン性や素材の質などから考えても妥当なお値段と言えるでしょう。
カッシーナの歴史は17世紀中ごろまでにさかのぼります。イタリアの大聖堂の説教壇をつくっていたそうです。1927年にカッシーナ兄弟によって「Cassina S.p.A.」が設立され、本格的な家具作りをスタートさせます。
カッシーナは世界大戦が終わった1948年ごろからそれまでの家具生産を見直し、手工業から工業的な方法へと切り替えていきます。豪華客船のインテリアと家具の制作を行い、カッシーナの名を世界的に広めることになりました。1950年にイタリア建築・デザイン界の父と言われるジオ・ポンティと共同で作り上げた「スーパーレジェーラ」は指一本でも持ち上げられる最も軽い椅子として発表され、大成功を収めました。
永い歴史の中で培われてきた技術と、現代のアートとのコラボレーションを融合させることでさらに進化し続けている、世界でも希少な一流家具ブランドです。
カッシーナの家具の中で、安定して買取価格が高い製品
マジストレッティの代表作、マラルンガ ソファ/675 MARALUNGA
マラルンガソファは、1973年に発売されて以来、今なおベストセラーとなっています。ソファは木枠で造られるのが当たり前だった当時に、ウレタンで構成するというソファの常識を覆した作品です。ウレタンを組み合わせることで、難しいとされていたフォルムを再現できるようになりました。ヴィコ・マジストレッティによる最高傑作とも言われるソファです。
写真は全体に本革を使ったマラルンガですが、張地は輸入と国内から、またかなり種類豊富なレザーとファブリックから選べます。2人掛けも3人掛けもシートごとに背もたれを動かしてローバックとハイバックを切替できるところがマラルンガの最大の特徴でもあります。
発売から不動の人気のマラルンガには新しいモデルも出ています。マラルンガ40-Sは発売40周年を記念して作られた作品で、エッジのステッチや従来とは異なるパイピングが施されています。近年流行りのカバーリング仕様のモデルもあります。マラルンガ40マキシという従来のマラルンガよりも幅が35%、奥行きが10%ほど広くなったゆとりのある作品も発売されています。
- ヴィコ・マジストレッティ/Vico Magistretti
- 1920年、イタリア出身のデザイナーです。デザインは建築物、インテリア、家具、照明、インダストリアルデザインなど多岐に渡ります。代表作品のマラルンガを含めて、12個もの作品がニューヨーク美術館にて保管されています。
建築の分野でも活躍して、高層ビルやオフィスビル、その他一般的な商業施設の建築にも携わりました。
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- 代表作品:
- 675マラルンガ/675マラルンガ40-S/905チェア/
675マラルンガ40マキシ/114ヌーヴォラロッサブックシェルフ/
ベリーニの、キャブ アームレスチェア/412 CABも根強い人気
412キャブチェアは、カッシーナを代表するチェアと言えるでしょう。デザインしたのは、イタリア建築界の巨匠、マリオ・ベリーニです。多くの名作を生み出してきたベリーニの作品の中でも、群を抜いてロングセラーとなっています。鉄パイプでできたフレームに厚い革をかぶせるという大胆な発想で誕生しました。412以外にも410カウンターチェアや413アームチェア、415ソファなど、種類が豊富。
フレームにレザーを被せる斬新な作りのキャブチェアは、レザーならではのしなりとフレームとの相性で、程よいストレッチ感とともに背中を支えてくれます。採用されているなめし皮はカッシーナの厳しい品質基準をクリアしたものなので、長く使っても傷みにくくて、逆に風合いが良くなります。
写真のアームレスチェアの他にもキャブシリーズは、カウンターチェアやアームチェア、ラウンジアームチェア、ナイトベッドも制作されています。
- マリオ・ベリーニ/Mario Bellini
- 1935年、イタリアのミラノ出身のデザイナー、建築家です。
カッシーナで家具を製作しながら他のブランドやメーカーで、家具とは全く違うジャンルの家電や自動車の内装、タイプライター、照明のデザインもしました。
現在日本の六本木と青山にあるカッシーナのショールームのデザインもマリオ・ベリーニによるものです。
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- 代表作品:
- キャブチェア/ブレークチェア/ウィスキーソファ/デュックソファ/ティルブリーソファ/カルテットチェア/パンテオンテーブル/
コルビジェのLCシリーズの中でも、人気の高いLC4/シェーズロング
1929年に発表された、ル・コルビュジエの作品です。見ただけで快適にくつろげることがわかる形になっていて、自分で横になる角度を変えられるので、自分が一番なりたい楽な姿勢になれます。発売から今でも人気のあるシェーズロングで、シート部分をレザーにしたりファブリックに変えられるようになったので、より使いやすくなりました。
カッシーナのコレクションの1つ、イ・マエストリ(I Maestri)の正規品には作品と同じ製造番号のブランドIDカードが付属してきます。 作品本体のロゴや署名などの刻印やラベルでも正規品かどうか見分けられますが、IDカードがあることで、より正規品ということを証明できます。
LC4はル・コルビュジェ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ベリアンの3人が制作した作品なので、3人の署名が彫られています。イ・マエストリコレクションの正規品には必ず、デザイナーのサインとイ・マエストリのロゴ、また製造番号も振り分けられています。現在、カッシーナのロゴマークはLC4とLC3、LC2のみ表記されています。
デザイナーのサインやロゴの刻印はコピー品やリプロダクト品、また偽物とを区別するための大切なポイントです。その部分が隠れるように何か貼ってしまったり、著しく汚れやキズを付けないように気を付けましょう。また、製造番号などが記載されたシールも剥がしてはNGです。
- ル・コルビュジエ/Le Corbusier
- ル・コルビュジェとして親しまれているデザイナー、シャルル=エデュアール・ジャンヌレはスイス生まれの建築家です。
20世紀の建築家の中でも一番有名と言っても過言ではない人物で、建築以外の家具の分野でも名作と大きな影響を残しています。カッシーナでは3人でデザインしたLCシリーズが不動に人気を保持しています。
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- 代表作品:
- LC1チェア/LC2ソファ/LC3ソファ/LC4シェーズロング/LC5ソファ
LC6テーブル/LC7チェア/LC8スツール/LC9チェア/
LC10-Pテーブル/LC12テーブル/LC14スツール/LC20キャビネット
カッシーナの家具で、査定前に確認するべきこと
カッシーナの家具は基本的に高値になることが多いですが、査定してもらう前にちょっと工夫をするだけでより査定額アップにつながることもあります。ここでは、そのような重要ポイントや注意点を紹介します。
付属品や保証書(IDカード)の有無
付属品や保証書、IDカードの有無は査定額に大きく関わってきます。まず保証書があることで該当の家具が正規品かどうかを証明できます。また、ソファやシェーズロングに付属しているクッションやヘッドレスト、その他の調節部品などがあるなら査定日までに出しておきましょう。
リプロダクト品やジェネリック品ではないか確認
カッシーナは人気ブランドだからこそ、イミテーション品やジェネリック品、またリプロダクト品が多く出回っています。ご自分の家具が正規品か確認するには家具に刻印が入っているか、正規品のラベルやシールがあるかどうかで判断できます。また、購入時についてきた保証書やIDカードがあれば確かな証明になります。極前なケースですが、カッシーナに版権が移る前に作られた正規品があります。そのように個人で判断の難しいものは、プロの査定員に依頼しましょう。
状態の良さや使用感
傷や汚れは出来るだけ少ない方が高価買取に繋がります。また、使用感が出やすいソファやチェアのような座るものよりも、チェストやシェルフ、キャビネットのような箱モノの方が使用感が少なくて、高く売れるケースが多いです。がたつきや部品の欠損などは大幅な査定額のダウンに繋がります。失くした部品やネジ、また汚れや使用感の強いファブリックを交換することで、交換にかかる費用よりも査定額の方が高くなるなら、査定前に補うのも手です。
出来るだけ購入時の情報(時期や店舗、価格)などを思い出す、探す
査定を申し込むときに購入時の情報を伝えることで、おおよその見積を出してもらえたり、その後の買取の過程がスムーズに進みやすくなります。店舗で正規品かどうかすぐに判断出来たり、新品で購入した家具なら購入時期からいつごろに製造されたものかも判断できます。製造年月によって少しデザインが違ったり、人気度も違ったりするので、意外と見落としがちですが大切な情報です。
カッシーナの家具を少しでも高く売るために
日ごろから丁寧に使う、メンテナンスを行う
査定の時に大切なのは家具のコンディションなので、査定前に可能な範囲で掃除をするのは重要なポイントです。また、査定前にできる掃除は限られているので、できれば購入時から定期的にメンテナンスをして、丁寧に使うことが望ましいです。掃除のやりすぎで塗装が剥げたり、レザーを傷めてしまわないように、気を付けましょう。
カッシーナのユーザーズガイドをよく読む
カッシーナでは正規のお店やショップで購入すると、家具の取り扱い説明書、ユーザーズガイドも貰えます。そこに家具のメンテナンス方法が詳しく記載されているので、購入したら必ず読んで、それに従ったメンテナンスや掃除をしましょう。ファブリックやレザーもかなりの数があってランク分けされていて、それぞれ適切なお手入れの方法が異なります。査定前にメンテナンスしたいけど、何をしていいのか分からない方も、ユーザーズガイドを参考にしてください。ユーザーズガイドをもしも失くしてしまった時は、カッシーナ公式ホームページからダウンロードも可能です。
出来るだけ新しいモデル(決断は早めにする)
一般的にブランド家具は製造から10年以内だと買取されやすくなっています。もちろん人気度や状態によっては10年を超えたものも買取してもらえますが、製造から月日が経っていないほど高価買取の可能性があります。現行モデルは高値になるケースがほとんどで、廃盤になったモデルも人気があると買取してもらえます。まれに廃盤モデルで希少価値が付くことで、思いがけない高値になることもあるようです。
業者選び
リサイクルショップや通常の家具買取業者よりも、ブランド家具を専門に扱っている業者の方が高価買取に繋がります。知識がないと価値が分かってもらえずに、適切な価格が提示されないのです。ブランド家具やデザイナーズ家具を専門にしている業者を選ぶのはもちろんですが、またその中にも得意分野と苦手な分野があるので、できるだけカッシーナの買取に力を入れている業者を選びましょう。
カッシーナの家具を高く買取してくれるおすすめ業者
家具買取の専門ショップ「アドア東京」
アドア東京は家具や家電、楽器を買取しているショップで、東京都の世田谷区に店舗があります。
ブランド家具やデザイナーズ家具の買取も積極的で、持込買取はもちろん、自分で運ぶことが難しいものや、買取してほしいものが多い場合には宅配買取や出張買取もお願いできます。
アドア東京も買取の経験が豊富で、メディアへの掲載もされているほどの信頼と実力を持っています。
上記のジャンル以外でもベッドや自転車の買取にも力を入れているので、色んなものを処分したい、売りたい人に最適です。
参考:家具買取の専門ショップ アドア東京
まとめ
安定して買取価格が高かったのは復刻シリーズコレクションでしたが、こちらはなかなかお目にかからない希少品ということもあって、特に買取価格が高かったようです。現代を代表するデザイナーとのコラボレーション作品は、デザイナーの知名度が上がるにつれて、その製品の買取価格も上がる傾向があります。
デザイナーによってだけでなく、使用しているレザーやファブリック、素材などによっても買取価格は変わります。ご不用なカッシーナの家具がございましたら、まずは家具専門の買取業者に無料査定をお願いし、いくつかの業者をまわってみてください。ほとんどの業者は無料査定を実施しているので、気軽に相談してみるのもいいかもしれません。